米国の投資型クラウドファンディング法 「JOBS法」とは?

日本では2015年5月29日に金融商品取引法の一部改正によって投資型クラウドファンディングが解禁となった。


Jumpstart Our Business Startups法とは

それに先駆け、2011年頃からアメリカにおいてはクラウドファンディングの登場にともない、アメリカ政府においてもベンチャー企業やスタートアップによるネット上で株式による資金調達を活性化する動きがあった。 それが2012年に制定されたJOBS法 (Jumpstart Our Business Startups Act) である。
ちなみにサムネイルのスティーブジョブズは特に関係はない(笑)


JOBS法の制定の背景には、成長していくクラウドファンディングサイトにおいて、レベニューシェア型のプロジェクトの登場(しばしば株式型クラウドファンディングとも呼ばれる)とともに、プロジェクトの内容によってはクラウドファンディングによる資金調達が米国証券取引法の適用対象となる可能性が出てきたのである。

JOBS法が制定されるまでは1933年の証券法(Securities Act)および1934年の取引所法(Exchange Act)により、特例が適用されない限りはSECへの登録や財務報告義務などが課せられており、ハイリスクであるために出資者にも要件が存在したために、出資者も資金力が比較的乏しいベンチャーや新規創業者にとってはクラウドファンディングによるエクイティファイナンスが非常に困難であった。


JOBS法の基本的発想

クラウドファンディングは欧米やアジアにおいて、新興企業の資金調達で活発に利用されている。JOBS法では、従来からあるベンチャーや成長企業への出資の仕組みをよりオープンにして、幅広い層の投資家から資金調達を行おうとするものである。 またインターネットで行うことによるメリットを考慮して、情報公開、情報発信性を高め、オンライン上で出資までを完了できるようにすることで利便性を高められることがポイントである。 投資家に関しては従来は富裕層などの適格投資家の資産要件を緩和することで出資者の裾野を広げている。

JOBS法においては、クラウドファンディングによるエクイティファイナンスにおいて下記の要件をを免除するとした。

資金調達側 1. 提出財務データの軽減 2. 役員報酬の開示義務の緩和 3. アナリストレポートの作成や投資家向けミーティング開催などの規制の緩和 4. 提出する登録書が開発中の技術を含む場合、一定期間は非公開ベースにできるなどの緩和

出資者 1. 1年間における調達上限額は100万ドルとする。 2. 個人の出資者は年収10万ドル以下の場合、1年間の出資可能上限額は2000ドルまたは年収の5%までとする。 3. 年収10万ドル以上の出資者は1年間で年収の10%を上限として出資が可能である。


わずか1年で規制緩和にこぎつけた日本、
JOBS法施行の大幅な遅れに焦る米国

日本の金融商品取引法の改正による投資型クラウドファンディング解禁のロールモデルとしては、このJOBS法がしばしば用いられたが、日本における法改正では迅速な手続きによって、国会での法改正案成立からほぼ1年で施行へ至った。 実際、アメリカにおいては JOBS法の成立後、実際の運用に必要な細則案を90日~270日以内に提出するように証券取引委員会(SEC)に求めていたが、投資家保護の規定や投資詐欺の防止に関連する議論が長引く等の影響により、その提出は大幅に遅れていた。JOBS法の細則を含めた本格的な運用は2015年10月となる見通しである。


日本においては法案成立から施行に至るまでをわずか1年で行った。調達上限額が1億円であったり、資本提供者は1案件あたり50万円を上限とするなどの規制もあるが、まずは投資型クラウドファンディングが日本においても解禁となったことは大きな前進といえるだろう。

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